団体紹介

団体紹介

岡山ポリフォニーアンサンブル(OPE)は、1983年に創立された団体で、合唱と器楽グループがあり、中世・ルネサンスからバロック期までの音楽(いわゆる古楽)をレパートリーとして、毎年1回の演奏会を開催しています。1994、1995年度と2年連続で岡山県芸術祭賞を受賞しました。また、2019年 岡山市政令指定都市移行十周年・市制施行百三十周年記念式典で、当会会長に感謝状が授与されました。合唱を主体とした団体としては古楽を専門とする岡山県内唯一の団体です。

メンバーはこの時代の音楽を愛好するアマチュアで、職業は学生、教員、会社員、家庭の主婦と様々です。大学生から90代までと幅広い年齢層から構成されています。

地域的には岡山市および倉敷市在住者がほとんどですが、周辺市町村ばかりでなく、県外は近くは広島県、遠くは新潟、大阪から参加している者もいます。創立当初は、ルネサンス期の無伴奏の宗教および世俗合唱曲をレパートリーとしていましたが、現在では中世からバロック期へとレパートリーを広げ、演奏会ではバッハのカンタータなど管弦楽付きの作品も取り上げています。また、合唱のグループとは別に器楽のグループも結成され、リコーダーやクルムホルンを用いたアンサンブルの活動も行っています。両グループは主に合同で、時には単独に、演奏を行っています。5年に一度の節目の演奏会では、今までJ.S.バッハのヨハネ受難曲、クリスマスオラトリオ、ロ短調ミサ曲、ヘンデルのメサイヤといった大曲の全曲演奏に挑戦してきました。

しかし、岡山という地方都市、しかも合唱が盛んとは決して言えない地域でのこうした対象領域を絞った活動は、理解や賛同がされにくいようで、アンサンブルを構築するための団員の質・量の確保が難しいところです。

音楽監督(兼常任指揮者)である坂本尚史及び林真一の指導の下に、毎月4回程度の練習を行っていますが、団員からも自由に意見を出し合って、和気あいあいの雰囲気で練習が進行しています。年に数回行われる親睦会はきわめて和やかで、夜遅くまで音楽談義などに花を咲かせます。

団名は中世・ルネサンス期のポリフォニー音楽(多声音楽)から採られています。後の時代の音楽(ホモフォニー音楽)が主旋律とそれを装飾する和声を中心に構成されているのに対して、ポリフォニー音楽では一つの旋律が異なるパートで互いに模倣しながら次々に現れ、その旋律の絡み合いにより音楽が構成されています。

ポリフォニー音楽の全盛期は14世紀から15世紀であり、フランドル地方(現在のベルギー南部、オランダ、フランス北部を含む地方)ではじまり、イギリス、イタリア、スペインなどで発展して行きました。キリスト教会での宗教音楽(ミサ曲やモテットなど)が有名ですが、王侯・貴族・富豪などを担い手とする雅な宮廷音楽や、庶民に親しまれたマドリガルや舞曲などの軽快で楽しい音楽も数多く残されています。代表的な作曲家に、ジョスカン・デ・プレ、パレストリーナ、ヴィクトリア、ラッソ、バードなどがおり、節目の年以外の演奏会ではこのルネサンス期の音楽を器楽、合唱ともに必ず取り上げるようにしています。

ポリフォニー音楽はその後のバロック期を通して熟成されていきますが、同時にホモフォニーのスタイルが隆盛してくることで次第に古びたスタイルとしてとらえられるようになってしまいます。しかし、バロック期の最後にホモフォニーのみならずポリフォニーの技法を駆使して素晴らしい作品を作り続けたのが、あの大バッハです。バロック期の集大成ともいうべきその作品群は質・量ともに音楽史上燦然と輝いています。特に、マタイ受難曲や教会カンタータに代表される宗教曲は彼の世界の中核をなすもので、バッハを語る上で欠かすことはできません。毎年のようにバッハの作品は小規模のオーケストラとの共演で演奏してきたところであり、先述のように5年に1回は大きな作品に取り組んでいます。

これらの、古楽の作品に光を当てて毎年演奏会用に取り上げ、練習することを何よりの喜びとしている我々です。

2020年  有馬 雄二郎

会  長          有馬 雄二郎
前音楽監督   (指揮者) 坂本 尚史
合唱部門リーダー(指揮者) 林  真一
器楽部門リーダー      葛谷 光隆

 
 

岡山ポリフォニーアンサンブル会則(抄)

(名称及び所在)

第1条 本会は岡山ポリフォニーアンサンブル(Okayama Polyphonie Ensemble)と称する。

(目的)

第3条 本会は,中世,ルネサンス及びバロックの音楽を楽しく研究し,その紹介・普及に寄与するとともに,会員相互の親睦を図ることを目的とする。

(事業)

第4条 本会は,前条の目的を達成するため,次の事業を行う。

(1)定期的な練習活動

(2)年間1回程度の定期演奏会の開催

(3)その他,本会の目的に必要な事業

(会員)

第5条 本会の趣旨に賛同し,積極的に事業に参加するものは会員となることができる。

(会計)

第8条 本会の会計は,会費,寄付金その他の収入をもって充てる。